きちんと施工すれば、在来工法の耐震性に不安はない。ただし「きちんと施工すれば」という条件は構造設計の的確さ、施工する職人の技術に左右される要素が多いことを示している。とくに大工は、伝統工法のような名人的な芸は必要としないが図面の指示を読みとって誠実に施工できるだけの技術水準が必要とされる。第二次世界大戦後の建築基準法制定以来、数年前までは2階建てが限度であったが、今は詳細な構造計算書を添えれば3階建ても可能になった(戦前には木造3階建てに対する規制がなかったので、私が大学生であった昭和30年代、本郷あたりには木造3階建ての学生下宿がいくつも存在していた)。
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都市の内部は大部分が「準防火指定」地域になっているので、木材を外に露出させる真壁や茅葺き屋根は不可能で(別荘地などでは可能)、柱が防火層で覆われた大壁になる。在来工法は筋交いのある壁には窓や出入り口をつくれないが、筋交いは他の位置にずらして付け替えることも可能なので、将来の増改築が融通無碍にできる。